Stevie Wonderと嗅覚

 

どうも、gumingumiです。

先日、口座から引き落としたはずの5000円が、電車から降りると消えていました。もしやしきりに金欠であることを友人に訴えていた、あの隣に座っていたJKが...私が眠りに落ちている隙に...

 

さて、この前のhuenium氏の「祈り」についての記事、VOCALOID ─祈り編─ - Qnohitoは私にとって大変興味深いものであった。私が最近讃美歌に惹かれているのも、無意識に祈りを求めているからなのかもしれない…

それを受けというのもなんだが、今回私はまた違った音楽の要素、「匂い」 について書いてみようと思う。あれは2018年8月16日のことであった...

 

 起床。

私は最近始めた日課のラジオ体操に取り掛かる。それが済むと私は散歩のためにドアを開け、外に出る。

その瞬間、風が吹き抜け私は思わずハッとし、顔をあげる。

秋だ…。

途方に暮れると同時に脳裏に一つの作品が浮かんだ。

Stevie WonderInnervisionsだ。

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これはその中の一曲だ。枯葉舞う歩道を歩く1人の男。風になびくコート。そんなイメージが浮かぶ。

 

youtu.be

秋の風のように吹き抜けるシンセの旋律が印象的な名曲Golden Lady。

 www.youtube.com

 

アルバム通しての流れも素晴らしいので、是非一度聴いていただきたい。

 

細野晴臣氏と鈴木惣一郎氏の対談を収録した書籍「分福茶釜」で、細野氏はこのように語っている。

 

あるとき、スティービー・ワンダーが大事故を起こして、大けがをして、それで嗅覚をなくしちゃったっていうんだよ。そうしたらそこから音楽に微妙な変化が起こった。文字通り匂いがなくなったような気がしたんだ。表面的には変わってないんだけど、何かが違った。音楽は視覚よりも嗅覚になにか深く関係がある。

 

1973年8月3日に傑作Innervisionsを世に送り出したStevie Wonderはその3日後、友人の運転する車に同乗し交通事故に遭い、意識不明の重体に陥る。この事故の後遺症で、一時味覚と嗅覚を失ったのだという。

その後のリハビリで"ほぼ"完全に復活したようであるし、彼の音楽の微妙な変化が、一時的に嗅覚を失ったのと関係があるかどうかは定かではないが、興味をそそられる話である。

 

Stevie Wonderは事故後も数多くの素晴らしい作品を残している。しかし、私が秋の風を感じたときに自然と思い出すのは、この作品だけなのだ。ほかには無いこの作品特有のもの、それは細野氏の言うように、匂いなのであろうか。

 

音楽から漂う匂い…

意識して聴いてみるのも面白いかもしれない。